Junji 自然to暮らしのデザイナー@GlocalGreenLifeLab

地球と自分を大切にする暮らしの実験室

【レイジーマン•コーヒー】先住民のコーヒー農園からサステナブルを知る

▶今回の記事は「森を守り、文化を守り、自らの生活を守る、レイジーマン・コーヒー」についてです。


今回は、タイ北部のチェンマイのコーヒー農園についての記事です。


レイジーマン・コーヒー”をご紹介します。


コーヒーの名前に「レイジーマン=怠け者」の意味がついたコーヒー。


この名前がついた理由には、チャンマイの先住民の人々が、森と文化と自らの生活を守ってき た、背景と想いがあります。

 

 

 

レイジーマン•コーヒーとは??

森林農法(アグロフォレストリー)


レイジーマン・コーヒーのコーヒーは森林農法で栽培されています。


森林農法は、名前の通り森林で作物を栽培する方法です。


一般的な農業と大きく異なります。


森林農法は、自生していた(もともと生えていた)作物を、人の手を加えて生態系を壊さず、むしろ 生態系の手助けをするように栽培する方法です。


森林農法は、オーガニックが大前提にあります。


また、森林農法の農園の特徴は、種類が豊富であることです。 そのため換金目的以外の作物も育てることができます。


換金以外の作物とは、もし換金目的の作物が天候不良や社会情勢などの問題で、売れなくなった 場合に、生産者の食糧になる作物を育てることができるということです。


種類が豊富であることは、生物多様性にもあふれています。 その生態系に人が入り、森の生態系を保護し、自分の生活を守れることが森林農法の特徴です。


つまり、ビジネスと自給的な暮らしを両方を可能にすることが森林農法です。
  
 森林農法についてこちらの記事で、ご説明しております。

 

junji-greenlab.hatenablog.com

 

 

レイジーマンとは? 


レイジーマン・コーヒーの、レイジーとは「怠け者」という意味です。


動物のナマケモノも掛けているかもしれませんが、レイジーマン・コーヒーが意味しているもの は「何もしない怠けた人」です。


ちなみに、タイにはナマケモノは存在していません。
タイのパガニョ族に伝わる民話の登場人物に「ジョッカド」という、日本でいう”ものぐさ太郎”何 もしない怠けたひとがいます。


ジョッカドは怠け者ですが、お話の最後には、多くのもの得て、それを周りの人と分かち合う人 となります。
このジョッカド物語の教えには、”自然を敬う思想であり、環境を大切にする生き方、持続可能な 生き方”であるそうです。


動物のナマケモノもそうですが、「怠ける」の言葉に対して、ノロマで役立たずのようなネガティ ブな印象が一般的だと思います。


しかし、「怠ける」とは、動く力がなくても生きていける術があるということです。


ナマケモノは、すごく体重が軽いです。その理由は、ナマケモノを狙う動物が追ってこれない細い 枝まで掴むようにするためです。


このように省エネでも生きていける術を持っているもの「怠け者」です。

 

森林農法は、人の力を入れなくても作物は育っていくので、省エネで生活することができます。

 

レイジーマンは、戦わずして勝てる方法をすでに持った考えです。

 

 

レイジーマン・コーヒーの農園


レイジーマン・コーヒーは、タイの北部に位置するチェンマイに農園があります。

 

小さな家族経営のコーヒー農園で、いくつかのフェミリーが集まっています

 

 レイジーマン・コーヒーが、コーヒー農園を始めたきっかけは、森と自分たちの生活を守ること から始まりました。


コーヒー農園が始まったきっかけに、グローバル企業の自然破壊と伝統文化を破壊する近代的農 業の押し寄せがあります。

 

 
 
グローバル資本の押し寄せ 


タイ最大のグローバル大企業が、カレン族の村に来て、「融資を受けられるから、トウモロコシ を栽培しなさい」と勧誘ありました。


その勧誘には、種は遺伝子組み換えのもので、採取は禁じられており、タネは化学肥料や農薬と セットで栽培することが条件に含まれます。


その融資を一度受け始めてしまうと、その借金を返すために、毎年タネや化学肥料、農薬などを 買い続けることになります。


トウモロコシ単一の栽培を始めてから、雨のたびに表土が流出します。 表土と一緒に化学肥料も流れるので、さらに化学肥料を投入する必要がでてきます。


そして環境が破棄され、砂漠化が進行するという悪循環に陥って、借金を返すために抜け出せな くなります。


中にはその借金を返せずに破産して土地を奪われて、都市のスラム街などに仕方なく住んでいる人 もいるようです。


この問題を阻止しようと、地域のコミュニティで会議が重ねられ、トウモロコシから変わる作物の案が出されました。


その一つが森林農法でのコーヒー栽培です。


タイの山岳民族はかつて自給自足の暮らしをしていたことや、コーヒーを栽培していた経験もあり ました。


コーヒーで安定した現金収入を得ながら、昔ながらの自給的な暮らしを守ること。


そして、それを地域も巻き込んだビジネスにして行こうとしたことが、レイジーマン・コーヒーが できた流れになります。

 

 まとめると、レイジーマン・コーヒーは伝統文化を続けながら、森林の他の生物と共存しコーヒ 育てる森林農法で、コーヒー以外の果物や穀物などの食べ物を自給しながら、現金収入も得てい る、家族コミュニティです。


レイジーマン・コーヒーは、森林農法による自給的な暮らしが基盤。 そして地域経済を持続していくローカル・ビジネスです。

 

 

レイジーマン・コーヒーから暮らしの実験を!

レイジーマン・コーヒーは、僕が理想とするサステナブルライフのひとつの形です。


自らの力で大きな資本から、森を守り、文化を守り、暮らしを守ることができたことは、環境や 平和への大切な一例です。


僕たちは自らでも暮らしを守り、地球を大切にすることができる、サステナブルライフを実現で きることの証明になります。


また、このレイジーマン・コーヒーを知っていただき、飲んでいただくことが森を守り暮らしを 守ることにつながります。


レイジーマン・コーヒーを多くの方に拡げることで、僕たちも地球と自分を大切にした持続可能 な社会へと近づきます。


普段のコーヒーから、レイジーマン・コーヒーに一度変えてみて、自分の暮らしから楽しく実験し てみてください!


▶「レイジーマン・コーヒー」
コーヒーの味は、抜群に美味しいです。 口当たりは優しくて、コクと甘味の中に、ほのかなフルーティな酸味があります。 後味にも甘さが長く続きます。

 

 

 

 


▶『パーマカルチャー事初め』
まねしたくなるような暮らし。 自然のリズムに合わせたSlowLivingの方法や考え方が紹介されています